岡本大更 「寿老人」


 

            

岡本大更は  明治12年9月14日 三重県名張郡滝之原村(現 三重県名張市滝之原)に生まれ
明治19年 大更が8歳の時に一家で東京に移住します その後 明治34年には 京都に移り
京都府農事試験場の技手として桃山分場園芸部に勤務し 果実などの写生をしながら日本画の
修業に励みました そして明治40年には 活動の拠点を大阪に移し 師を持たず独学で研鑽を
重ねます ここで生涯の友となる北野恒富と出会い 「巽画会 大阪支部」の立ち上げに参加し
その評議員となり 大正3年には 私塾「更彩画塾」を開き多くの弟子たちを育成しました
その後は 大阪美術博覧会の発足と共に鑑査員となり 大阪市美術協会の設立にも尽力をし
自ら日本画部の評議委員となるなど活躍をしますが 昭和16年 戦争の激化で後妻の実家が
あった香川県豊島に疎開をし 昭和20年12月に疎開先にて66歳で亡くなりました




大更は人物画 特に美人画の大家として知られ 彼の描く美人画は「近代の浮世絵」とも
称され人気がありました 今回ご紹介するこの寿老人の図も 顔の表情から細かいシワに
至るまで大変よく描かれています 箱書を見ると「昭和辛巳初秋(昭和16年) 」と書かれて
あるので 疎開先の香川県豊島で描いた作品かと思われます



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