作者不詳 「釈迦涅槃図」


 



お釈迦様が亡くなった時の様子を描いた釈迦涅槃図です お釈迦様の死を悲しんでいろんな人
また動物たちがお釈迦様を囲んで悲しむ様子が描かれていて 曹洞宗のお寺さんでは
お釈迦様が亡くなられた2月15日に この涅槃図を飾ってお釈迦様を偲ぶ「涅槃会」という
法要が行われます この掛軸も某曹洞宗のお寺さんが所有されている掛軸なんですが かなり
大きな掛軸で
全体では 縦240cm×横171.7.cm 本紙(紙本)縦280cm×横150cm あります



        

左の図に描かれているのは 摩耶夫人と言ってお釈迦様のお母さんです お釈迦様の死を聞きつけて
天から降りて来られた様子が描かれています 右の図は お釈迦様の周りでその死を悲しむ人々が
描かれています 右上の方には阿修羅の姿もありますね



       

こちらは お釈迦様の死を悼む様々な動物たちの様子です



        

左の図の赤い包みは薬袋と言って お釈迦様の危篤を耳にした摩耶夫人が天から妙薬の入った
袋を投げ落とされたものなのだそうです ところがそれが沙羅双樹の木の枝に引っ掛かってしまい
結局 お釈迦様のところまで届かずに亡くなってしまったのだとか…。ちなみに薬を処方する時の
「投薬」という言葉はここから来ているそうです 
 
多くの動物たちが描かれて
いる涅槃図ですが猫だけは描かれていません これは何故かと言うと
木に引っかかった薬袋をお釈迦様の為に いち早く取りに行こうとした鼠を猫が邪魔をした為に
お釈迦様が亡くなってしまったと言い伝えられてる為なんだそうです ところがこの涅槃図には
何故か描かれるはずのない猫らしき動物が描かれています(右の図) 猫が描かれている涅槃図
というのも全く無い訳ではなく 京都・東福寺の涅槃図など有名なものも含めると数点が存在する
みたいなのですが数は極めて少なく珍しいのだそうです

一枚の涅槃図の中に いろんなお話やメッセージが込められていて それを一つ一つじっくりと
読み解きながら見て行くと なかなか面白いですね!



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